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第26回野のはな書展鑑賞10 時田麻里書「アリ」(まどみちお詩)「どうしていつも」(まどみちお詩)「なるようになる」(自作詩)

  • harunokasoilibrary
  • 6月28日
  • 読了時間: 2分
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「アリを見ると・・・」(まどみちお詩)

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「どうしていつも」(まどみちお詩)

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「なるようになる」(自作詩)


書の楽しみの一つは、良い詩文や言葉に出合うことでしょう。書は言葉ではありませんが、本当に良い言葉や人生を変えるような詩文に出合うことは素晴らしい事です。「祈り」や「願い」などといった、それらしい、嘘嘘しい言葉には、私は感動しません。詩人は、言葉の本当の美しさを知らねば詩人とはいえないでしょう。良い詩文の典型が、まどみちおの詩です。まどみちおの「アリを見ると・・・」や「どうしていつも」は、詩と書が一体となっていて、詩が先なのか書が先なのか、分かりません。私は、書が先にあったと思っています。その書が、まどさんの詩と出会って、書の本当の意味が開花したのではないでしょうか。何年か前、川崎の美術館で開催された、まどみちおの絵を観に出かけたことを思い出します。もう閉館間際でしたが、また、何者かに助けられ何とか時間に間に合いました。まどさんの作品は、小さなコーナーに展示されていました。観ているのは私だけでした。そこには、本物の美が輝いていました。


「なるようになる」は、ことばの意味よりも、作者にとっては重要なのでしょうが、書の言葉が輝いていますねえ!書の言葉とは、活き活きとした余白や、黒黒とした線、柔らかな字形、字の配置などのことです。書は国語ではないのです。言葉の意味よりも、書の言葉に表れた本当の意味を感じ取れなければ、書を鑑賞したことにはなりません。書は國語よりも、音楽に近いものなのです。

2020-09-07 11:51:59

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