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「ははこぐさ」~母の絵に文字を副えて(2)

  • harunokasoilibrary
  • 11月17日
  • 読了時間: 1分

第9回野のはな書展に出品した10点です。8回展に続き、母の描いた絵に墨と筆で言葉をかき添えました。絵の方が先にでき上がっていました。そこに文字をかいたのです。しかし、どのような絵になるのかはっきりわからないうちからどのような言葉をかくか考えつづけていました。

絵をあかりの真下に置いて細部まで視つめますと、作者の苦労して懸命に描いている手の跡が見えてきました。それは、花をみるよろこび、みずみずしい命の輝きと生きて在ることのよろこび、そして、それを描けることのよろこびに溢れていました。 

花は、よろこびそのものであると同時にまたはかなく命短いものの象徴でもあります。淡墨で「よろこび」とかいた上に濃墨で「かなしみ」とかき重ね、よろこびとかなしみが一つになった、言葉では言い難い私の感情と想念を表現しようと努めたのです。

木の葉の裏と表のように、よろこびとかなしみは一つのもののように私には思えました。花に会うよろこびが深まれば深まるほどかなしみも深くなってゆくように私は感じたのでした。

はじめの、菜の花の絵に添えた言葉は「よろこび」だけで、「かなしみ」はかき重ねていません。

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2010-09-08 00:34:36

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