第26回野のはな書展 鑑賞7 斎藤洋子「やさしくね やさしいことは つよいのよ」
- harunokasoilibrary
- 6月30日
- 読了時間: 2分

一見やさしそうにみえますが、その黒い墨色に、ひまわりの花のような強い力を感じます。一字一字、語るように書かれ、この作品からは、作者の声が聴こえてくるようにも感じます。私はこの言葉自体には何も感動しませんが、また、この言葉の作者がどんな人間か、無名か有名か、善人か悪人か偽善者かはどうでもよいことですけれど、書作品をつくるとは、繊細な作業なんだと思うのです。額や軸など表装をこまやかに考え、丁寧に、きれいに印を押さねばなりません。手を抜いたり、雑になったら失格です。この作品の印を観ていますと、きれいに押され、作者の丁寧さやこまやかさが伝わってきます。この作品のように美しく生きねば、良いものは作れません。・・・・・・実は、雑なので、何枚か、書き直してもらったのです。また、印も余りにも汚く雑だったので、それらも没にしてもらったのです。こりゃだめか!と、出品をあきらめてもらおうかと思っていたら、この作品が出てきたのです。私は、ほっとしました。私が、なぜか、忖度して、ほめているような作品ではなく、(もう二度とそんな批評はしないつもりです!)本当に感動している作品をみて、何が大事な事なのか、何に感動しているのか、どうしたらそんな純粋な作品が創れるのか、をよく考えるなど、常に他者から学ばねばなりません。私がどんな思いで印を彫ったのか、どんな思いで額装を考えたのか、印も額装もあまりできは良くないかも知れませんが、手抜きはしていません。その善意をくみとって、精一杯頑張ってほしいと思います。頑張って幸いにも、たまたま、この出品作ができたのですけれど、野のはな書展は、学ぶための絶好の機会ではないでしょうか。
2020-09-06 14:28:02



コメント