第26回野のはな書展 鑑賞11 村井みや子(紫泉)書「東(ひむがし)の野に炎(かぎろひ)の立つ見えてかへり見すれば月かたぶきぬ」(万葉集巻一48・柿本人麻呂)展示風景
- harunokasoilibrary
- 6月28日
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寸松庵色紙から多くのことを学んでこられた、ひとつの成果ですねえ。上代様かなの基本原則を踏まえて書かれています。上品な作品ですねぇ。短冊作品は、とても力作なのに、小さくて目立たないですが、手習い10年、20年の学書の結果が表れていて、大変好感がもてます。

村井さんのコーナーに並んだ短冊の力作群です。
古色蒼然とした書風ですが、革新的なものだけが書ではありません。
前回展まで、受けを狙った卑しい書が多くありましたが、書を書く目的や発表する意味を考えなければなりません。それは、生きる意味や目的にもつながってきます。私は、美しく自由に生きるために書を学んでいます。できましたら、弱った生命を励ませたら、と強く望んでいます。卑しい書を観ると元気がなくなってしまうのです。書を売るために、また、有名になるために、タレントのように生きている人を見ると、人間が嫌になります。書は人ですから、卑しい人を見ると生きる力が萎えてしまいます。ただの言葉にだまされてはいけません。
村井さんの書には、誠実さがあります。好き嫌いの問題ではありません。書から、その人間性まで感じとるのは難しいかも知れませんが、私が村井さんの何点もの作品を選んだ意味を考えてくださればありがたいです。
2020-09-08 13:24:36



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