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植田春汀書作展 鑑賞30 友情出品(春野かそい書)半紙作品

  • harunokasoilibrary
  • 7月5日
  • 読了時間: 2分
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金色のちいさき鳥のかたちして銀杏ちるなり夕日の丘に

(与謝野晶子の歌)1995年制作


 ざーと、春汀さんの制作を観てきましたが、こんなにじっくりと春汀さんの作品を観たことはありませんでした。感激しました。とても勉強になり、書の歴史を学び直しました。そして、春汀さんの力量に今更ながら驚きました。愛のこもった誠実な作品から、書の楽しさ、豊かさ、書くことの歓びと人間の美しさを再認識させられました。この気持ちは、とても言葉にはできませんけれど、春汀さんのおかげです、本当にありがとう。


 瞬く間に過ぎた30年の時とは何でしょう。瞬間のようでもあり、また、無限のようでもある。二度と繰り返すことはできないようでもあり、春のように、何度でも繰り返し還ってくるようでもある、時とは不思議なものですねぇ。時は、一直線に、過去から未来まで続いているものだ、と私は思いません。

 私たちは(春汀さんと私のことですよ)、ただひたすら、一生懸命に、その時その時を生きて来ただけでしたが、今思えば、なんて貴重な月日だったことでしょうか。作品を書き捨てず、お金もないのに無理をして、大事に表装して来たかいがありましたねぇ。まるで生き物のように、そのことを水茎の跡がしずかに語っていました。


 書の道は人生と同じく、極まりなく、厳しく苦しいことも多いですが、喜びも無盡蔵です。春汀さんはこれからも、そこはかとなく、淡淡と、書と人生を愛していかれることでしょう。私も見習って生きていきたいと願っています。


 私(いつまでもうだつの上らない私は、書を捨てようと思っていました)に、書の魅力と、その素晴らしさを再認識させてくれた春汀さんに心から感謝したく思います。それから江山文庫と加悦の自然にも心から感謝いたします。ありがとうございました。

2020-03-14 21:26:47

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