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春野かそい記念館 Haruno Kasoi Museum 「ミゼレーレ20」(罠) 作品240

  • harunokasoilibrary
  • 7 日前
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春野かそい書「ミゼレーレ20 ・孤独になり 深く潜行し 甦れ!」(罠・snare)

2018年12月制作 約23.5×23.5㎝ 唐紙・墨

「罠」と書かれている。


この副題「孤独になり 深く潜行し 甦れ!」は、ルオーの版画集「ミセレーレ」の第5番の副題「罠と悪意のこの世にただ独り」から引用された。

「罠と悪意のこの世で、わたしは姿をくらまし、深く潜行し、そして再び浮上することを学んだ。何よりもわたしの作品をもっと美しく、もっと表現的にすることに専念した」とルオーは語っている。彼は、キリスト・イエスのように、孤独に耐え、己の使命を果たすことが芸術家の道であると言っているのである。

もう、わたしは、高齢だから、深く潜行したまま浮上できないかも知れないが、わたしもルオーに倣おうと思う。

「人間の一生は罠と悪意ばかりに満ちた「ゴルゴダへの道」である」ともルオーは言っている。

そんなことはない、人生は善意と優しさで満ちているではないか、善良な友人達でいっぱいではないか、希望と夢だらけではないか、と誇らしげに語る人もいるだろう。そう思える人はそれで良いだろう。

世界中に飢えた子供たちがいる。世界中に貧困や病気や戦争で苦しんでいる人々がいる。それでも人生は希望であふれていると思えるのなら、それはそれで良いだろう。

孤独なサン・テグジュペリのように、芸術家も一すじの希望の光を胸に秘めてはいるのだろう!

制作を通して、自分自身を救うために掴んだ一すじの光を!

しかし、その光は、まぶしく輝く光の中からは決して生まれてはこないもののように思われる.

芸術家は誰よりも、罠にはまり、悪意に傷つき、真っ暗闇の孤独地獄に落ちて苦悩する人間のようだ。

そして、芸術家は、その暗黒の闇の中に、微かな一すじの光を創造した人間でもあるのだ、とわたしは思う。

2019-01-13 10:02:28

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