モノローグ14 ルオーの師モローの絵と言葉より
- harunokasoilibrary
- 6月1日
- 読了時間: 2分
更新日:6月6日

単眼の巨人キュクロプスの一人であるポリュぺモスは、海のニンフ、ガラテアを愛する。また彼はオデュッセウスを捉え、食べようと思ったが、逆に目を潰されて盲目になってしまう。・・・・・・モローはポリュぺモスを哀れに思ったようである・・・・・・
こんな絵か書を描きたいと思っている。なぜか?耄碌した道化に不足しているものは、精力と金力だからだ、この二つがなければ愛が手に入らないからである。愛とはそんなものでは手に入らないかも知れないが、入るかも知れないだろう!

「死せる竪琴」1897年頃 モローの最後の作品のひとつ。モローは1898年4月に胃癌のため死去。実現できなかった油彩の大作のための構想を水彩画に残した。
「絵画、それは、沈黙による最高の芸術。
真実の愛、沈黙による最高の感情。
(・・・・・・)
様式の造形性 つまり、至高なる知性に自ずから備わる高貴さ
知性の分別ある熱狂 美への渇望の表明
偉大なる魂の痕跡 自らを所有する知性の表現
魂の届く範囲 美の表現
モロー━絵画について━から
モローの「遺書」より
名残り惜しいことがあるとすれば・・・・・・
仕事、絶え間ない研究、努力によって私自身の存在を開花させること、
芸術において、より良きもの、稀なるもの、目に見えぬものを追い求めること、・・・・・・
秋の日の悲しい夜明け、和らいだ夕暮れ、夏の夕方の薄明りの道、枯葉の舞う森の小道、足音がかすかに響く人気のない小道、ローマ平野の三月の青空、もうけっして見ることはないだろうあの空。
ルーブルの作品。いにしえの巨匠たち。すばらしい作品を通して聞こえる彼らの沈黙の会話。失われた時代への精神の旅。絶えた文明を訪れること。今では神話となった時代を想像力で蘇らせること。
2021-08-17 11:46:02



コメント