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モノローグ13 ルオーのピエロの絵など

  • harunokasoilibrary
  • 6月5日
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ルオーのキリスト(58×47㎝)
ルオーのキリスト(58×47㎝)

ルオーのアルルカン  水彩・墨 39.5×30.5㎝ 1913年頃
ルオーのアルルカン  水彩・墨 39.5×30.5㎝ 1913年頃

「(神よわれを憐み給え、御身の大いなる慈悲によりて)に始まる「ミセレーレ」の連作は、ルオーの少年時代、青年時代を経て彼の中に蓄積されてきた人間体験の総決算の場であった。この作品の構想は1912年の父親の死と共にかたまり始め、それから1934年迄の20年以上もの間、彼は「ミセレーレ」に創作の情熱を傾けたのであり、この画家の思想を解明するのに重要な作品である。この作品の登場人物たちはあらゆる悲惨を背負って現れる、人間の孤独、淋しさ、苦痛、頽廃、悪、おぞましさ、権力意志、死、そして最大の災厄である戦争を・・・・・・。音楽で言えば、この作品の中心主題ともいうべきキリストは、人間と化し、その肉体の中にあらゆる悪と不正、この世のすべての災禍を一身に引き受け、弱く迫害された者達が堪え忍ぶ忍耐と同じ忍耐をもって堪え忍ぶ事により人間に救いを与えるものとしてあらわさている。『我等が癒されたるは、彼の打傷によりてなり』、『われら……彼の死において、洗礼を受けたり』に良く表わされているように。


「ミセレーレ」は白と黒の世界である。それは、ルオーによれば「黒は・・・・・・変わり易い絵画上の流行にもかかわらず、色彩の王者であるからだ。」(日本文化財団 ルオー三大版画展図録 三・ミセレーレより)

2021-08-16 19:59:05




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