「顕現Ⅲ」 作品213
- harunokasoilibrary
- 10月20日
- 読了時間: 1分

Haruno Kasoi 書 「顕現Ⅲ」
2000年8月 楮紙・墨・額
「さがしているものは、たった一つのバラの花のなかにだって、すこしの水にだって、あるんだがなあ」と書かれている。サン・テグジュペリ「星の王子さま」より
栗里さんのことを、ふっと思い出すときがある。母とは正反対の性格の人だったけれど、母とも楽しそうに話されていた。栗里さんの本心は計り知れないが、いつも、わが母を尊重してくださっていた。わたしの芸術上の仕事に関しては、尽く大事にしてくださった。特にわたしが失敗したと思った作品を大事にされていた。今でも、なぜそうだったのかよく解らないでいる。
栗里さんは、おそらく、わたしの個々の意見や感じ方や思想よりも、わたしの姿勢、芸術への取りくみ方、つまり、世界への対し方、失敗を繰り返しながらも決して諦めず、撓まず、媚びず、歩んで行こうとする姿に共感され、心から支援してくださったのではないか、と、今、強く感じる。そのような真の支援者は苦海の中の一片のマーガレットほどに希少である。栗里さんのことを憶うと、母を憶う時と同じように、人間への信頼を取り戻す。
2018-12-12 09:24:53



コメント