「母の遺髪筆」
- harunokasoilibrary
- 11月17日
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「母の肖像3」以降の作品の多くが、この筆によって書かれた。母の魂がのり移ったか、と感じるほどに、書き心地の良い筆である。この筆は大分県臼杵市の筆工房・楽々堂の堂主の御堂順暁氏に作っていただいたものである。
母は施設に居る4年間、ほとんど、髪を触らせなかったようで、そのおかげか、順暁氏のお手紙では、通常は、高齢者の髪の毛は、毛先が痛んでいて、筆としては使い物にならないらしいが、母の毛は生れたばっかりの人の毛先のように新鮮な毛先だったとおっしゃっていられた。不思議な事である。今となってはもう手遅れだが、もっとたくさん遺髪をとっておけば良かった。母のきれいな姿を乱したくなくて、ほんの少しだけしかとれなかったのだ。
2018-03-11 10:14:10



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