「母の肖像2」(悲)
- harunokasoilibrary
- 11月17日
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Haruno Kasoi 書「母の肖像2」(悲)
2014年4月17日、縦約48×横約30㎝ 紙・墨
掛軸は、表具師、田端彰子(京表具・春清堂)さん制作
「悲」と書かれている。
母の死の3日前に制作された。余命いくばくも無いことは知ってはいたが、母の死は、あっけなかった。私は、以前、母の肖像デッサンを何枚か描いたことがあったが、ついに、タブローを描かずじまいだった。私は悔やんだ。この作品は、絵の代わりに、描かずにいられなくなって、ただ、魂だけでかきあげたものだ。かきあげて、母がそこに息をしているのに驚いた。母の恐ろしいまでの魂が、私の全身に憑依し、私の魂から手を通して筆先へと流れ、母の生命の姿を、そこに結晶させたのである。私は、書という不思議なものとの出会いに宿命的なものを感じ、畏れた。
2018-03-09 09:28:51



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