これらの作品は、第25回野のはな書展に出品された。

これらの作品には、母の絵が転写されている。

それらの絵は、転写のさいの熱のため、変色している。

そのために、母の天賦の色彩感覚のかけらしか見えない。

この冊子に使われた挿絵は、転写ではない。

写真をコピーしたものである。

したがって、少し、母の色彩に近づいているが、

はるか彼方で、母の声が、微笑んでいるだけである。

色彩は、ほど遠いが、母の姿は、汚されることはなかった。

私の心のなかで、母の絵は、聖なる光で輝いていた。

親不孝な、情けない、私を、護るように！