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第1~3回野のはな書展のあいさつ文

  • harunokasoilibrary
  • 3月8日
  • 読了時間: 3分

更新日:6月1日

【第1回野のはな書展・1994年6月25~26日】

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素朴な美しさを内に秘めた野のはなのような、私達の生活に根ざした新しい書を目標に発足して、この度初めての書展を開催できましたこと、心よりうれしく思います。

さらにうれしいことは、この記念すべき第1回展で、野のはなを素材にした活け花が私達を豊かにしてくれたことです。

ご協力くださった松本都美子先生に心よりお礼申し上げます。

未熟な私どもにとっては、一字を書くにもたいへんな努力が必要でした。多くの出品者の方が仕事をお持ちです。忙しい生活の中での作品づくりはなみたいていのことではありません。未熟な恥ずかしい作品を公開することで恥をかいても明日への可能性の第一歩だと思いました。

第2回展ではさらに目標に近づいた作品をお見せできることと思います。

(代表) 春野海客

(目録に掲載されたごあいさつ)

 


【第2回野のはな書展・1995年7月15~16日】

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 野のはな書道会は、ひとりひとりの中に野のはなのような美しさが確かに在ることを信じ、書の長い歴史の積み重ねから、多くのことを学びながら、ひとりひとりに潜む芸術の心を表現できることをめざしています。私達の作品が新しい書の価値を実現しているかどうかはわかりません、またけっして上手な書とはいえませんが、良い書を書きたいという願いだけは大切にしてゆきたいと思います。

 ここに出品された方々は忙しい日々の中で自分自身の時を大切にして、一歩一歩基礎の学習を積み重ねながら、何か一つでも良い書を書き残したいと全力で作品を仕上げられた方々ばかりです。実力は様々ですが、実力にあった等身大の表現にはなっていると思います。

 未熟な作品を発表することは恥ずかしいことですが、多数の人々のきびしい目にさらされることで芸術のきびしさを学ぶと同時に、新しい力をも吸収できるのです。それは意義深いことだと思っています。

 皆様方の心に触れる作品が一つでもあれば幸いです。

野のはな書道会代表 春野海客 

(目録に掲載されたごあいさつ)



【第3回野のはな書展・1996年6月22~23日】

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 人は感じ考え思うものです。人が人である限り、ただひとりの例外もなく芸術する美しい心をもっているにちがいありません。

 先人の残してくれた、また今生きている、世界中の生きとし生けるものから多くの知恵を無心に学びとることのできる、純粋な心にだけ宿る表現技術が深ければ深いほど、その美しい心が作品となって出現するのです。

 はたして私達の作品がどれだけの価値を創造していることでしょう。少なくとも心に触れる作品があるとすれば、それは、上手下手ではなく、命と引き換えに、生きている証として書かれた正直な作品でしょう。書き手の思いの強さに作品の良し悪しは比例します。書かずにいられないで書かれた作品のみが鑑賞に値する作品になる可能性を持っています。

 皆様の心のひだに触れる作品が1点でもあるならば幸いに思います。また私達もそのような真の価値創造に向けてますます努力したいと思っております。

 私達は恥を書いておのれの不誠実を思い知らねばなりません。きびしく、誠実なご批判をお願い致します。

野のはな書道会代表 春野海客 

(目録に掲載されたごあいさつ)

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