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第26回野のはな書展(2020年8月25~30日)

  • harunokasoilibrary
  • 7月7日
  • 読了時間: 4分

ごあいさつに代えて

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病のため入院して

一ヶ月ほど筆を持てなかったのですが、

リハビリの先生のハカライで

児童用のひどい用具でしたが、墨を磨り、

筆で字を書きました。

その時、思いがけなく、

筆と墨で字が書ける喜びを知ったのです。

私は書に癒され、励まされたのでした。

野のはな書展は、

字が書ける嬉びの書展です。

(出品目録掲載文)

 

 



第26回野のはな書展感想


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 コロナ禍で書展が延期になったり、私が病気で入院したりで、どうなるのかと心配した書展でしたが、無事開催でき終了できました事を、皆様に感謝致します。出品者の熱意が、その御家族や友人知人に伝わり何かが動いたのでしょう。私は、入院中の初めのころは、開催日を延期したことを忘れ、もうすぐ書展があるだの、書かねばならない作品があるだのと、主治医の先生やリハビリの先生方に訴えていたようですが、しばらくして延期したことを思い出してからは、安心して落ち着き、日にちが立つにしたがって、そんなことは忘れて、ただ、春汀さんと妻子のために書かねばならない作品のことだけ考えていたように思います。申し訳ありませんが、書や書道会に対する愛は、次第に消えていったように思います。リハビリの先生のハカライで、墨を磨り、筆で字を書かしていただいたとき、心から嬉しく感じ、はじめて、書の素晴らしさを知ったくらいでしたから。会の人達のことを考えたのは、退院して、その人達の優しい応援の跡(何十人もの見舞金や応援のメッセージなど)を知ってからです。私は、入院中、ほとんど記憶がありませんでした。何ヵ月かして、だんだん、いろんなことが蘇えってきました。今も、記憶におかしな所があるかも知れません。出品された作品の全てを私は観て、表装依頼をしているはずですが、記憶にありませんでした。展示してみて、思ったよりも美しい作品が多いのに驚いています。皆さん頑張たんやねえ、と思いました。嬉しさと感謝の気持ちで胸がいっぱいになりました。頑張って開催して良かったと思いました。ギャラリートークも止めようかと思いましたが、思ったより多くの熱心な出品者が参加し、頑張ってお話させていただき嬉しかったです。まとまりのない話だったと思いますが、病気中ということで、お許しください。時田さんがマイクを貸してくれて、ほんとに助かりました。私はいったい何を話したのでしょうか。交流会もいつかまた再開しましょう。

 いくつかの、特に面白いと感じた作品について春野かそいブログで少し解説していますが、ブログで採り上げなかった作品にも良い作品がたくさんありました。例えば、末永さんや、山岡さん、加納さん、大塚さん、保母さん、磯部さんらの作品などです。それから、今回展では、10年以上頑張って来られ、独特のスタイルをお持ちの三人の方(時田麻里さん、村井みや子さん、堀りえ子さん)を選び、コーナーにそれぞれ10点ほどを出品していただきました。まとめて観てみると、個性がはっきりとし、興味深いものがありました。10年20年と継続してこられた人の作品には、たんなる思いつきではない、不思議な人間的魅力が感じられました。発想の奇抜さや、目新しさではない、時をかけて磨かれた本物の美がありました。私は安心し励まされました。学ぶことがいっぱいありました。これから、遠路はるばる、何かを求めて観に来られた来客の期待に応えられるような、美しく自由な展覧会を企画する勇気が湧いてきました。

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 自分をひけらかすような作品や、売ることばかり考えて受けを狙ったものや、誠実さのない臨書もどきや、通俗的な書論(表現は何でもありき、や芸術は好き嫌いに尽きるなど)を初心者に知ったかぶりで話すなど、書や野のはな書道会を貶め軽んじる悪貨がほぼなくなったので、良い書展になったと思いますが、まだ完全ではありません。書の基本原理を理解していない作品(本人の努力不足や私の未熟さが原因かと思います)がまだまだありますから、これから少しずつでも良くなることを願ってやみません。先のことは神のみぞ知るですが、野のはな書道会や書を愛する人がいる限り、私は頑張りたいと考えています。


 本当に出品者とその御家族、知人友人の皆様、多くの、支援金をカンパしてくださった会員の皆様、心よりお礼申し上げます。御協力ありがとうございました。

(2020年10月・会員つうしん第170号掲載)

【8/27付京都新聞市民版の記事】一部編集しています

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