2007年七夕書道大会感想
- harunokasoilibrary
- 4月20日
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更新日:6月1日
七夕に小さな作品を創りながら、芸術について考えてみるのも良いでしょう。
この言葉で、この様な感じの作品を書きたいと、イメージをふくらまし、そのための用紙を準備し、筆や墨を決定し、文字を調べ、構成を考え、頭の中の設計図にしたがって書き上げていく。あるいは、始めに絵のようなイメージが書きたくて、適当な言葉をえらび頭にあるイメージにしたがって書き上げていく。また、大色紙や短冊や扇面や団扇の書き方の伝統にしたがって(書式に則り)書いていく。
そのためには、言葉や書式についての知識が必要ですし、用具を使いこなす技術や材料についての知識がなければなりません。
多くの素晴らしい先例が古典や先輩たちの作品にあります。多くの方はそれらの先例をしっかり学んで、身に付けた知識にしたがって作品を制作されることでしょう。
それはそれで良いのですけれど、はたしてこの様にして書かれた作品は芸術作品でしょうか。私は芸術作品とは思いません。これらの作品は知識によって書かれています。知識とは既に知られた経験です。だから、これらの作品は既知の世界を表現しているのです。それは素晴らしく巧みな技術ではあっても、新しいものではありません。
芸術は創造です。それは新しいものです。未知の世界を表現しているものでなければなりません。
そして、私たち人間にほんとうに必要なものは芸術です。娯楽や装飾ではありません。
(2007年8月・会員つうしん第91号掲載)


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