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OVER THE MARGIN -彼岸へ-
2016年

がまんづよいひとであった

はきながらさけをのまされていた

もんくもいわずなきもせずはきつづけていた

おさないむすこはしずかにみつめていた

 

はははこどもをつれていえをでた

みしらぬちちおやのところで

はははなぐられた

むすこはそのみしらぬちちおやをころしたかった

 

はははこどもをつれてそこをでた

ははとこどもさんにんのあたらしいくらし

じゆうでへいわなくらし

しかしむすこはふりょうになった

せかいいちのおやふこうものになった

ああ、ははかなし                      

2016年11月5日 かそい

これらは、詩書画一致をこころみたものだ。詩書画一致は東アジアの芸術の伝統らしいが、わたしのこころみは、伝統の復古ではない。わたしは伝統には興味がない。新しいものにも興味がない。大きさの無い時の流れのなかをあちこち歩きまわりたいだけである。

「母の肖像」は、今は亡き母の肖像を、書で描いたものである。

私たちの住む世界のすぐそばに、感覚では捉えることのできない、次元の違う世界があり、そこに居る母が私を見ているように感じ、生前の母を想い出しながら詩と書と絵を描いたものである。

 

わたしの作品は人や物との関係の中で生まれたものである。

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